2008-01-01から1年間の記事一覧

第1次・字種候補素案の「樋」は「桶」の間違い

みなさま、たくさんのコメントありがとうございます。原稿にかかりきりで、なかなかご返事できずに申し訳ないです。それでも、どうしても放っておけないコメントいただいたので、取り急ぎこれについて書きます。 5月16日のエントリ、文化庁に聞いてみました…

第22回漢字小委員会

本日の委員会は、前回の宿題だった「候補から外す字・入れる字」を整理した文書が配布されました。これらの意見及び「文字列頻度数調査」にもとづき素案を見直し、次回に第2次素案を提出するとのこと。ひとまずあと1ヵ月ほどは凪状態がつづくと思われます。

文化庁に聞いてみました

先日のエントリ「「闇」の異体が2つ素案に入っている件」は多くの方に読んでいただいたようです。たくさんコメントも寄せていただきお礼申しあげます。安岡さんからは「常用漢字の「靴」だって入っている」との指摘もありました。悩んでいても仕方ありません…

「闇」の異体が2つ素案に入っている件

早く戦前の人たちが書いていた字体の話に戻りたいんですが、やはり旬の話題から片づけるべきでしょう。期せずして直井靖さんと當山日出夫さんのブログで、同じことが指摘されていますね。先日発表された新常用漢字の素案に「闇」が2つ入っている問題。 常用…

新聞各紙は審議を正しく伝えているのか?

昨日は第21回漢字小委員会でした。霞ヶ関で傍聴して家に帰って、一晩たって朝刊を見たら、おやまあびっくり。うちは朝日なんですが、1面に「常用漢字追加素案220字」と見出しがあり、ご丁寧に「新常用漢字表(仮称)に入れる可能性のある候補漢字の素案」と…

何種類もある「旧字体」(2)

さて、「戦前の人たちはどのような字体で書いていたのか」ということについて考えているわけですが、なかなか「戦前の人たち」のところまで行かず、それ以前のところで立ち止まっています。前回は江守賢治さんの著作に従って、その説をご紹介しました。そこ…

直江兼続の兜の「愛」

もう書かないといったくせに書いてます。ちょっと思いだしたもので。 来年の大河ドラマの主人公は直江兼続だそうですが、この人の兜、前立に大きく「愛」の文字をあしらっていることで有名ですね。

漢字小委員会がいよいよ再開

漢字小委員会(第21回) 今年度からは、もう傍聴の申し込みをしなくていいのかしら? この経産省別館って壁が薄くて声が聞き取りづらいんだよねえ……。せっかく新庁舎ができたのになあ。

何種類もある「旧字体」(1)

うっかりしたことに、今まで「戦前の人たちはどのような字体で書いていたのか」ということについて、あまり真剣に考えていませんでした。戦前? 旧字体でしょ、と。本当はそんなに簡単なものじゃありません。そもそも「旧字体」として括れる明々白々とした単…

1950年代初頭に略字体が一般的に使われていたことの意味

さて、先日の発表を粗っぽくまとめると、「1950年代初頭には表外字に略字体が、かなり使われていた」ということになりましょうか。ここで「かなり」と書きましたが、具体的には新聞社のうち朝日新聞、印刷会社のうち大日本印刷について、明確な資料があると…

「正字」における束縛の諸相、プレゼン資料を公開

昨日のレジュメにつづき、当日使用したプレゼン資料を公開しました。.movファイルで5分ほどです。 文字コード関連の作成資料集

「正字」における束縛の諸相

先日京都で開かれた「第2回人文情報学シンポジウム――キャラクター・身体・コミュニティ』でぶじに発表を終えることができました。呼んでいただいた主催者の方々、聞きに来てくださったすべての皆さまに深く感謝いたします。そこで配布したレジュメを一部改訂…

「束縛」という視点について (3)

前回は文字について国の標準や政策を批判しようとする際、たいていは「社会的な混乱」という視点で語られてきたというところまででした。そして、ぼく自身がそうした視点で原稿を書いていたと。自分でもいいのかなと思ったんですが、この「社会的な混乱」を…

「束縛」という視点について (2)

ぼくは以前から表外漢字字体表や2004JISについて批判的な文章を書いてきました。しかしながら、昨年来のWindows VistaやLeopardにおける2004JISの実装により、かつて83JISにより始まった表外漢字の混乱状況は、表外漢字字体表や2004JISが採用した字体、つま…

「束縛」という視点について (1)

3月22日に京都で開かれる『キャラクター・身体・コミュニティ――第2回人文情報学シンポジウム』で話をさせてもらいます。題して、「「正字」における束縛の諸相」。 ぼくの場合、なんで文字や文字コードのことばかり調べたり書いたりしているのかといえば、「…

トンのこと

15日の夜11時半、そろそろカレンダーも変わろうかという頃。 もう寝るかと思っていたら、奥さんが「トンが死にそうだよ」と。 「死にそう!?」

新常用漢字(仮)は、本当に2010年に答申可能か?

どうも常用漢字ネタは荒れますね。いえ、たくさんのコメントをお寄せいただくのはうれしい限りなのです。しかしまあ答申まで最低2年あります、じっくりいきましょうよ。じつのところ、延びる可能性だってない訳じゃないのです。

今年度最後の漢字小委員会が開催

9日は新装なった文部科学省の庁舎で、第20回漢字小委員会が開催されました。この日の審議の大きな目玉は、上部組織である国語分科会総会に提出する『国語分科会漢字小委員会における審議について』をめぐる議論。これは今年度の審議内容をまとめた文書で、つ…