文字

追加字種と部分字体が衝突する現行の常用漢字 (ver.21)

6月27日のエントリ、「追加字種と部分字体が衝突する現行の常用漢字」のつづきです。たくさんのご意見、感謝いたします。以前のものより少しはまともになったのではないでしょうか。

「解釈による運用」から「漢字表による運用」へ

先日のワークショップの発表ですが、発表者にとってありがたかったのは「規範」というテーマを与えられたことでした。発表以前から機会があればまとめたいと思っていたテーマを、もう一度規範という概括的な視点から見直すことになったからです。その結果、…

携帯電話の絵文字は文字なのか?

11月27日のエントリ、「Googleが携帯電話の絵文字をUnicodeに提案」はびっくりするほど多くの人に読んでいただけました。本ブログだけでなく、Google Blogの該当エントリ「絵文字のユニコード符号化: 符号化提案用のオープンソースデータ」にある「この投稿…

何種類もある「旧字体」(2)

さて、「戦前の人たちはどのような字体で書いていたのか」ということについて考えているわけですが、なかなか「戦前の人たち」のところまで行かず、それ以前のところで立ち止まっています。前回は江守賢治さんの著作に従って、その説をご紹介しました。そこ…

直江兼続の兜の「愛」

もう書かないといったくせに書いてます。ちょっと思いだしたもので。 来年の大河ドラマの主人公は直江兼続だそうですが、この人の兜、前立に大きく「愛」の文字をあしらっていることで有名ですね。

何種類もある「旧字体」(1)

うっかりしたことに、今まで「戦前の人たちはどのような字体で書いていたのか」ということについて、あまり真剣に考えていませんでした。戦前? 旧字体でしょ、と。本当はそんなに簡単なものじゃありません。そもそも「旧字体」として括れる明々白々とした単…

1950年代初頭に略字体が一般的に使われていたことの意味

さて、先日の発表を粗っぽくまとめると、「1950年代初頭には表外字に略字体が、かなり使われていた」ということになりましょうか。ここで「かなり」と書きましたが、具体的には新聞社のうち朝日新聞、印刷会社のうち大日本印刷について、明確な資料があると…

「正字」における束縛の諸相、プレゼン資料を公開

昨日のレジュメにつづき、当日使用したプレゼン資料を公開しました。.movファイルで5分ほどです。 文字コード関連の作成資料集

「正字」における束縛の諸相

先日京都で開かれた「第2回人文情報学シンポジウム――キャラクター・身体・コミュニティ』でぶじに発表を終えることができました。呼んでいただいた主催者の方々、聞きに来てくださったすべての皆さまに深く感謝いたします。そこで配布したレジュメを一部改訂…

「束縛」という視点について (3)

前回は文字について国の標準や政策を批判しようとする際、たいていは「社会的な混乱」という視点で語られてきたというところまででした。そして、ぼく自身がそうした視点で原稿を書いていたと。自分でもいいのかなと思ったんですが、この「社会的な混乱」を…

「束縛」という視点について (2)

ぼくは以前から表外漢字字体表や2004JISについて批判的な文章を書いてきました。しかしながら、昨年来のWindows VistaやLeopardにおける2004JISの実装により、かつて83JISにより始まった表外漢字の混乱状況は、表外漢字字体表や2004JISが採用した字体、つま…

「束縛」という視点について (1)

3月22日に京都で開かれる『キャラクター・身体・コミュニティ――第2回人文情報学シンポジウム』で話をさせてもらいます。題して、「「正字」における束縛の諸相」。 ぼくの場合、なんで文字や文字コードのことばかり調べたり書いたりしているのかといえば、「…

本日の一言「漢字など使わない方がいい」

異体字など何万も用意しなければならないなら、漢字など使わない方がいいと極端な意見に走りたくもなりますよ。――2007年1月17日19日付朝日新聞朝刊15面(東京本社12版)「対談IT時代の漢字」より 野村雅昭氏(早稲田大学文学学術院教授)の発言

常用漢字表の1字種1字体原則について

前日のエントリーについて、さる方から面白い指摘をいただいた。狩野さんや川俣さんからいただいたコメントへの回答にもなるので、これを引用しつつ書こうと思ったら「ご内聞に」とのお達し。そこでぼくが理解する限り、自分の言葉でまとめてみることにしよ…

日本語学会のサプライズ人事

未確認情報ですが、本日さる方から聞いた話によれば、一昨年に国語学会から名を改めた日本語学会の新会長に、野村雅昭氏が選ばれたようです。なお先ほど見たら、新会長人事については、まだ日本語学会のウェブページには掲載されていません。

クイズの時間です

このトラックのドアに書かれている社名は、「(株)ルテマルビ」でしょうか、それとも「ビルマテル(株)」でしょうか。

漢字字体規範データベースのurlが変更

もう10日くらい前に、池田先生からお知らせいただいていたのですが、もしやあまり周知されていないのではと思い、遅ればせながらお伝えします。以下のurlで、以前は引用文献が16だったのを、32に増強した上で公開されています。これらの多くは写本(もしくは…

ついでといっては失礼ながら

3月には、他にも見逃せないシンポジウムがある。 「東洋学へのコンピュータ利用」研究セミナー 漢字コード研究会――「出ない漢字」「化ける漢字」をどうする? どちらも行きたいなぁ。とくに京大のものは大変面白そうだ。安岡さんの1976年のJIS漢字案というの…

あいかわらずバタバタしてますが

国語研が1億語ものの大規模コーパス計画を打ち出した。 「書き言葉」1億語集約へ 辞書編集などへ応用期待(asahi.com) 書き言葉を対象にしたものであり、記事によれば〈常用漢字表の見直し、(略)など幅広い応用が期待される。〉とあるので、字体レベルま…

ご来場ありがとうございました

昨日はPAGE2006、ご来場いただいた方々、どうもありがとうございました。パネルディスカッションの司会って初めての経験だったので、どうもうまく仕切れずに自己嫌悪でございます。

昭和25年の朝日新聞活字使用度数調査

長く古本探しを続けていれば、いつかは誰でもなにかお宝に巡り会えるものですが、僕の場合はこれかな。朝日新聞東京本社による『活字使用度数調査 熟語使用度数調査』。なかでも興味深いのがここに紹介する結果をまとめたグラフ。全使用量が29,507,387本、使…

『こぶりなゴシック書体集 W1/W3/W6/外字』2月10日に発売!

いやあ、しばらくぶりの更新。あんまり久しぶりなんで、日記の書き方を忘れちゃいましたよ。まあ、ぼちぼちリハビリしながら復帰していきますので、よろしくお付き合いのほどを。 で、今日のニュースといえばこれ、こぶりなゴシック書体集 W1/W3/W6/外字 (fo…

弁慶橋ボート場の看板

今日、たまたま前を通った、ホテルニューオータニに行く途中にある看板。

官報の「報」の字

ふーん、異体字なんだ。よりによって官報の題字とは痛いものだね。写真はウィキペディアの「官報」の項からで、同ページによると、創刊当時の太政大臣、三条実美の筆になるものとか。ふ〜ん。

こぶりなゴシックが大日本スクリーン製造より来年発売

いやあ、これはビックニュース。mixiの日記で、みはしさんが「半月ほど前から告知してたけど、誰も気づかない」と、以下のurlを案内していた。年明けには発売日が告知できるらしい。 千都フォント | 書体見本 | こぶりなゴシック

写研からの返答

本日、シンカからファクスが来信、写研からの返答を転送してくれた。これを読むと、「記」の言偏はたしかにデジタル化の際のミスだが、「日」に関しては手動機からのデザインだという。

シンカから回答をいただいた

昨晩、シンカにこれまでの簡単な経緯と、このブログのurlを明記した上で、「そちらのアウトラインデータと写研の写植は本当に同一のものなのでしょうか?」という質問のメールを出したら、今朝、早速丁寧な返事をいただいた。長いので失礼ながら一部を略して…

「日」と「記」後日談

知り合いのあるフォントメーカーの方から、デザインの主役はゴナUの項で書いたゴナUでの「日」と「記」の文章について、疑問のメールをいただだいた。

鳥海さんが言いたかったこと

一昨日になるが、JAGAT(日本印刷技術協会)で「フォントのデザインと役割」と題して、かつての写研のエースデザイナー橋本和夫さん(本蘭明朝や紅蘭楷書など)、それに字游工房の鳥海修(とりのうみ、と読みむ。ヒラギノや游明朝体など)さんの講演があり行…

しんにょうの点の数

お札が新しくなりましたな。 デニーズなんかで仕事していると、お勘定のついでに新札を見せ合っているテーブルがそこここに見られたりして、いやー、やっぱり皆さん、お金が好きなんですね。俺? もちろん大好き。だけど、今日まで自分の手元に来たことはな…