文化庁に聞いてみました


先日のエントリ「「闇」の異体が2つ素案に入っている件」は多くの方に読んでいただいたようです。たくさんコメントも寄せていただきお礼申しあげます。安岡さんからは「常用漢字の「靴」だって入っている」との指摘もありました。悩んでいても仕方ありません、こういうことは直接当事者に聞くのが一番ですね。そこで文化庁国語課に電話してみました。主なやり取りは以下のとおりです。





おがた:「字種候補」であるはずなのに、なぜ字形の異なる2つの「闇」が入っているのですか?
国語課:今回発表された素案は、まったく途中のものです。「闇」については元になった凸版のデータの中で区別されていたものが、そのまま残ってしまったものです。次回提出する案では外します。

おがた:本来は入れるべきではなかったものが入ってしまったということでしょうか?
国語課:ええ、そうです。

おがた:もう一つ、なぜ現行の常用漢字表に入っている「靴」が入っているのですか?
国語課:これも同じです。「化」の3画目が突きぬける形が、常用漢字表にある形とは異なるということで、元のデータに入っていました。それがそのまま残ってしまったんです。これも次回には外しますし、本来入るべきものではありませんでした。

おがた:「闇」や「靴」以外にも入るべきでなかった字はありますか?
国語課:いえ、この2字だけと思います。

おがた:現行の常用漢字表は1,945字、素案の220字と合わせれば約2,200字ですが、新常用漢字表の文字数はどのくらいになるのですか?
国語課:目標とする文字数については漢字小委員会ではまったく話されていません。ただ一つ言えるのは、文字の入れ替えはあるかもしれませんが、追加する字数として現在の220字を越えることはないだろうということです。

おがた:最後に今後の予定をお聞かせください。
国語課:6月までに字種の選定を終え、その後に音訓、最後に字体を決定します。来年2月までには試案として国語分科会に提出し、これをパブリックコメントにかけたいと考えています。その後、寄せられた意見を元に1年かけて試案を審議し、再度パブリックコメントという流れになると思います。いずれにせよ、パブリックコメントは1回ですむとは思っていません。ですから答申はまだかなり先ということになります。

おがた:では今年度の仕事は、パブリックコメントを出すまでということですか?
国語課:はい、そうです。

おがた:どうもありがとうございました。