追加字種と部分字体が衝突する現行の常用漢字


常用漢字表で追加される191字について、よく字体の不統一などと言いますが、さて、どの字がどのくらい不統一になるのか、今まで調べていませんでした。そこで追加191字のなかから、現行の常用漢字と部分字体が衝突する字を探して一覧表を作ってみることにしました。

ちょっと注意が必要なのが、たとえば「茨」。これは「次、姿、盗」等の部分字体「二」と衝突するわけですが、これは二水ではありません*1。したがって「凍、冷」等とは衝突しません。当用漢字字体表で両者を包摂した故に、こういう事態が発生したわけですが、それを新常用漢字表で分離しようとしているわけですね。ややこしいったらありゃしない。他に入屋根(全)と人屋根(今)の区別なども同様です。

複雑なのが「煎、嘲、喩、詮」の4字でして、「煎、嘲」は舟月、「詮」入屋根、そして「喩」は両方の合わせ技です。

このようにだぶりがあるので一概に計数できないのですが、単純に右欄の字数を数えると157字になります。現行常用漢字は1,945字ですから、およそ8パーセントですか。

ところでこの表、けっこう念入りに見たつもりではありますが、抜けがないとは言えず、もしも間違いを見つけたらお知らせいただけると大変助かります(きっとあるんだろうなあ……)。

*1:不勉強なもので偏の名称を知りません。二偏などというのかしら。どなたかご教示ください。