講師二題

以下のような二つのイベントで講師をつとめます。


両方とも新常用漢字表がらみです。前者は国際的な規格であるRFCから新常用漢字表はどのように見えるかを話します。内容としては審議が進む「新常用漢字表(仮)第2部第8回 インターネット時代と互換漢字INTERNET Watch)で書いたようなことが基礎になります。MIAUは自らの意思実現を目的とした一種の政治団体ですね。だから、政治的な対立軸として言語政策を考えられればと思っています。

基本的には会員向けの勉強会ですが、会員以外でも会費を払えば参加可能です。また入会すれば会費は無料です。たぶん初めてお会いする方々が多いでしょうから、終わったあとの懇親会が楽しみです。


後者はこの2月の国語研究所でおこなった「ワークショップ: 文字」の第3回にあたるものです。演題は「漢字小委員会における審議の実際 ―字体をめぐる対立を題材として―」というものを考えています。

まず審議会というものがどういう原理で成立しているのか、そしてどういうルールで意思決定されるものなのかを確認した上で、議事録を題材に字体をめぐる対立がどのようになされ、どのように決着がついたのか(あるいは決着がついていないのか)を再現しようと思います。ここでの粉本は以下のものです。

会議の政治学 (慈学選書)

会議の政治学 (慈学選書)

著者は東京大学政治学の先生です。みずからも各種審議会委員を務めた経験を生かし「審議会という場では何がどのようにして決定されるか」をまとめたもの。文章も読みやすく広くおすすめできる内容です。