第28回漢字小委員会の結論は「大筋として、いわゆる康煕字典体で示す」

25日のエントリのつづきです。まず結論から書くと、この回の最も大きなトピックは、標記の通り常用漢字表に追加する文字の字体は、大筋としていわゆる康煕字典体とすることが了承された、ということです。

もちろん例外はあります。前回のエントリで書いた表外漢字字体表の簡易慣用字体である「曽、麺、痩」の3字がそうです。また以下に報告するように、この日さまざまな異論が出たことも事実です。しかし、閉会にあたって前田主査が問いかけた「大筋としては、今の方向で進めることをお認めいただけないか」という提起に対して、委員は沈黙で答えました。これはごく一般的な審議会のルールでは「全員一致で了承」を意味します。すなわち〈本表の「漢字」欄は、「印刷標準字体」を掲げる。〉(「追加字種・字体」についての基本的な考え方(案〕)という基本方針が了承されたと受け取れるわけです(もちろん25日のエントリで紹介した、骨子2番目も了承されましたととれます)。

これは何を意味するのでしょう。ぼくなりに考えるに、これからは例外とする略字体の数をめぐる条件闘争になるのかもしれません。現在は3字。次回はこれが若干増やされ、反対派の理解を求めるということが考えられます(一体どんな理屈をつけるというのか、大いに疑問がありますが)。他にも新たな提案もありましたが、それは追ってご紹介しましょう。

※追記:このエントリ、ちょっと長くなりそうなので、冒頭部分を残して別の日に移動しました。