ご来場御礼

ogwata2008-07-19


ただ今ワークショップ: 文字 ―(新)常用漢字を問う―から戻ってきたところです。さすがに京都日帰りはきつい。


6、70人くらいいらっしゃっていたでしょうか。思ったよりも多くの方に来ていただけたようで、苦労した甲斐があったというものです。


今回ぼくは、

  • 常用漢字表で追加される字は印刷標準字体が使われることになろう。
    • それは略字体にするとUnicodeの互換漢字を増やすことになるからだ。
      • 現在、日本はすでに政令文字の一部を互換漢字に割り当てているが、これは伝送経路の途中でいつ別の字に置き換わっても仕方ない不安定な位置づけの文字だ。
      • またXMLのタグ名や国際ドメイン名にも使えない。
      • こういう字を新しい常用漢字にすることは危険。
  • ただし、印刷標準字体を使ったことで新常用漢字表が分かりづらいものになるだろうことも確か。
    • 表外漢字字体表と整合性をとるという後ろ向きなもの以外、印刷標準字体を採用する理由はない。
    • 本来、分かりやすさの点から新常用漢字表には略字体で追加するべき。
    • しかし、今回はそれをしたくでもできない。
    • つまり印刷標準字体を選んだのでなく、選ばされただけ
  • このような、字体における “ゴルディアスの結び目" 状態はなぜ生じたのか。
  • 字体を区別すること自体は悪ではない
    • 異体字を使い分けることは、漢字文化を豊かにすること
    • 問題は「私の字」を他人に押しつけること
  • 自分が名乗る字はこだわっても、他人に呼ばれる際には寛容な態度が必要ではないか
    • 人々の認識を変えることこそ、本来の国語施策の役割のはずで、こういうルールを国語施策が示すことを期待したい


というような話をしたわけですが、要路を占める方にも来ていただけたようで、たくさんの人に話を聞いていただけたことを、うれしく思っております。主催の労をとられた當山さんもろさんには、改めてお礼申し上げたいと思います。声をかけてくださって、ありがとうございました。

あ、そういえばid:works014さんが申し込まれていたと記憶しますが、実際に来られたのでしょうか。じつはお会いするのを楽しみにしていたのですが。