ようやく一段落

1月後半から2月いっぱいは忙しくてろくに更新ができませんでした。
そんな苦労の末に、以下のような成果物が出ます。


『基本日本語活字集成 OpenType版』はその名の通りOpenTypeフォントの見本帳で、中で20ページにわたり「デジタル活字の基礎知識」と題した文章を書いています。構成は以下の通り。

このうち最後の項目を直井さんに助力をお願いしましたが(ありがとうございます)、後はぼくの担当。人間の字体認識から語り起こし、文字をキャラクターとグリフに分けて説明した上で、1980〜1990年代におけるシフトJISの混乱がかえって各社をUnicodeの実装へと駆り立てたこと、そしてUnicodeの大文字セットにより多言語環境が実現可能になり、そこで必要とされたフォントフォーマットがOpenTypeだったこと等を説明したつもりです。
原稿を書きながら、さまざまなことを思ったのですが(とくにWindows Vistaがもたらすものについて)、それは追々ここで書きたいと考えております。

京大のセミナーの方は「UCSにおける甲骨文字収録の意義と問題点」と題して、レジュメ集に23ページほど文章を書きました。これは元もとはINTERNET Watchの取材で行った2005年のIRG京都会議からはじまったネタなのですが、審議の内容を知るためには、どうしても甲骨文字の研究史を理解しないとならず、それでこの1年ほど甲骨文字の文献を追いかけて各地の図書館にでかけておりました。おかげでずいぶん勉強にはなったのですが、これをそのまま原稿にしても、あまりに読者の求めるものから離れそうで、どうしようかと思っていたところ、思いもかけず安岡さんからお声がかかり実現したもの。この文章はセミナーの終了後に公開したいと思います。

ブログというものは書かないでいるとどうしても更新の敷居が高くなるものですが、少しずつ復帰していくつもり。どうかまた、よろしくお付き合いください。