マイクロソフトからのご返答

24日の日記にコメントしてくださった狩野さんのご質問、それに22日の安岡さんのコメントに関するご質問を、マイクロソフトに投げてみたところ、さっそく回答をもらいました。本当は金曜夜にもらってたんですが、このところ疲れが抜けず、掲載が遅れて申し訳ないです。

  • (Q-1)

御社からご提供いただいたmsjis90-04.pdf『WindowsにおけるJIS90字形とJIS04字形』についてお聞きします。
表中、MS書体の固有の字体差として、面区点1-68-07「筵」にダガーが付けられていますが、この字は「*」を付けられた字と同様、JIS2004で例示字体を変更され、かつMS明朝の90JISグリフと変更後の例示字体に字体差がある字であり、「*」と別のマークが付けられた理由が分かりません。もしや、面区点1-51-40「喩」の間違いではないでしょうか? この字は「*」がついていますが、印刷標準字体であり、MS書体と字体の違いがあるけれど、JIS例示字体とは違いがない文字(つまりJIS2004で例示字体は変更されていない文字)です。

  • (A-1)

この文字はご指摘の通りわざわざ分ける必要もなかったのですが、平成明朝の「筆押さえをとる」という変更理由(これはデザインの変更)と異なり、つくりの変更(こちらは字体差)という理由の違いを表現したかったため別の印を付けていました。


つまり、「†」が付けられたのはJIS X 0213:2004における変更理由(筆押さえをとる)と違う理由によるものだったからということですね。

  • (Q-2)

同じくmsjis90-04.pdfについて質問します。「栃」はなぜこの表に入らなかったのでしょう? この字も「喩」と同じカテゴリーに入るはずです(こちらは字形の違いですが)。

  • (A-2)

こちらもご指摘の通り、「喩」は字体差であるけれども 「栃」はデザインの変更で、しかも我々の分類ではJIS90のリストに入れなくてもビジネス上のインパクトが比較的小さいデザイン差だと判断されたからです。

  • (Q-3)

これは別の質問です。
JIS X 0213においては面区点1-01-33をU+301Cに対応づけております。では、MS書体ver.2.5、3.0、3.2においては、どのUnicode符号位置に対応させているのでしょう? もしU+301C以外に対応させている場合は、その理由もお教えください。

  • (A-3)

プレスセミナーでもご説明させていただきましたが、Windows Vistaでは従来のコードページの変更も新しいコードページの追加もないのでU+301Cとコードページの関連づけはありません。
したがって、この文字をご利用いただくためにはUnicodeの符号化方式が必要です。


なるほど、そういえばたしかに僕の原稿でも、以下のように書いてましたね。

  • 追加する漢字約900文字はISO/IEC 10646により符号化される。したがってコードページを新設したり、従来のコードページが変更されたりといったことはない。

「Windows Vista」におけるJIS X 0213:2004の実装をさぐる(下)

でもマイクロソフトの実装は、UnicodeJIS X 0221)と矛盾しているということなんだけどなぁ……。さて、どうするか。