浅草「小柳」

夕方、娘を連れて、奥さん及びその友達と合流、そのまま夕食へ。落ち合う前に奥さんが俥屋のおニイさんから聞き込んだという老舗の鰻屋へ行く。浅草公会堂近くの『小柳』という店。

  • 店名: 小柳
  • 最寄り駅: 浅草
  • 住所: 東京都台東区浅草1-29-11(中央通り)
  • Tel: 03-3843-2861
  • 定休日: 木曜
  • 営業時間: 11:30〜21:00
  • 定休日: 木曜日(ただし祭日と重なった場合は営業)

外見は風格があるというよりボロい和風。築昭和30年代といったところか。1階がテーブル席、2階が広間。我々は2階に上がった。こういう古くからの店にありがちな横柄なおばさんの接客をやりすごし、ちゃぶ台へ。たのんだものは以下の通り。

  • 鰻重(松) 2,100円 1人前
  • 鰻重(竹) 1,470円 2人前
  • 肝吸い   105円  3人前
  • 卵焼き   525円  4人前
  • もつ焼き   ?円  4人前
  • 湯葉刺    ?円  4人前

最初に漬け物が出てくる。まあまあ旨い。次が卵焼き。出てくる前に、卵焼きは甘いかしょっぱいかと話していたら、案の定甘い味付け。好みじゃないんだよなあ、と言いつつ頬張ると、旨いよ、これ! 湯気が立っている出来たてを箸でくずして、もりもり食べる。うーん、ちょっぴり醤油をかけたおろしと一緒に食べるといいね。

次はもつ焼き、つまり鶏レバーの串焼き。奥さんは食べるなり吹き出す。「これ、みたらし団子!」いや、本当、かかっているタレが冗談のように甘い。でも、モツじたいはきちんと塩味がついてて、両者がケンカしていない。これはクセになりそうな味だ。甘いのは好きじゃないが、ひょっとしてこういうものを毎日食べていたら、うっかり好きになってしまいそう。

湯葉刺しはどういうこともない。厚くて豆腐のよう。不味くないが、あえてコメントするほどではない。それほど前の2品のキャラが立っている。

ここまで来たら、もうやけくそ。メインの鰻重の味付けがどんなに甘いか、もう期待で胸一杯。どんなに甘〜い鰻重が出てきて驚かないぞ。で、きたきた、鰻重が。いやあ、俺は足を天井に向けてひっくり返ったね。全っ然違うじゃん!! 甘くなんかない。どちらかというと白焼きのように、鰻そのものの味を生かしつつ、ちょっと醤油で塩味を効かせましたって感じの、あっさりしたもの。

いやー、こんな鰻重は初めて。もちろん前の2品が甘みが強かったせいで、よりコントラストが鮮明に感じたのかもしれないが、それにしても面白い。とても個性的で、万人にはお勧めしかねるが、しばらくすると思い出して食べたくなる味だ。

奥さんが俥屋からこの店のことを聞き出さなければ、まず絶対この店には行かなかったはず。うーん、俥屋さん、ありがとう!