国語分科会漢字小委員会の動き


国語審議会あらため文化審議会国語分科会では、常用漢字表の見直しが伝えられて久しいのですが、うかつなことに審議会情報(文化審議会)ばかり見ていて、しばらく動きがなかったとばかり思っていたんですが、ひょんなことでhttp://www.bunka.go.jp/1kokugo/nittei_kanji.htmlというページを見つけて呆然。これによるとただ今、月1のペースで審議しているじゃないですか!


しかも、このページに上がっている議事録は去年までのもので、今年1月の第5回以降は公開が追いついてない。つまりここ半年の動きは傍聴に行った人間しか分からないわけで、いやあ、まいった。本当に不覚、油断してた。

しかし、もう少し分かりやすく情報を整理して発信して欲しいなあ、文科省及び文化庁さん! 上記「審議会情報(文化審議会)」ページにある(※文化庁ホームページへリンク)って文言はごく最近追加されたもののはずで、それまで1年だか2年だか前の情報でストップしてたんですからね。それを見たら普通は開催されてないと思うじゃないですか。まったくもう! 外局なのに縦割りの弊害かよ……。まあグチはともかく、来週傍聴に行ってこよう。

ついでながら、最近気がついたんですけど、このところhttp://www.bunka.go.jp/kokugo/の充実ぶりには目を瞠るものがありますね。まさに宝の山。とくに見逃せないのが「国語沿革資料」ですよ。古本屋さんを散々さがして原本を見つけた身としては多少複雑なものがあるけど、これがオンラインで読めるというのはスゴイことではないでしょうか。漢字関連では「漢字字体資料集(諸案集成1)」と「漢字字体資料集(諸案集成2・研究資料)」は古典中の古典です。ぜひご一読をお勧めする次第。

しかし日本新聞協会もコピーライトがどうとかケチなことを言わず、早く公開に同意して欲しいものです。公開を保留されている中の「活字字体統一に関する講演会」ってのが面白いんですよ。昭和30年代だかの印刷会社や新聞社の実務者や佐藤敬之輔のようなオピニオン・リーダーが一堂に会して喧喧諤諤やっている。これって今のPAGEなどのカンファレンスとまったく同じノリで、何十年経ってもなにも変わっていないことがよく分かります。それから山田忠雄の「当用漢字の新字体」も保留だなあ。大御所による新字体の研究です。でもこれは古本屋を探せばまだ見つかるはず。都立中央図書館にもあるしね。

文化庁さんにはもう一頑張りしていただき、「字体・字形差一覧」まで公開してくれれば言うことないのだけれど、どうかなぁ。