「日」と「記」後日談

知り合いのあるフォントメーカーの方から、デザインの主役はゴナUの項で書いたゴナUでの「日」と「記」の文章について、疑問のメールをいただだいた。


僕の文章のうち、


  「日」にもどって、左の足が斜めに切ってある。
  「記」の言偏。一番上の横棒の下の線、これも斜めです。


という部分、いずれも「こういう箇所で意図的に斜めに切るような処理はしないと思いますが……。」というものだ。


たしかに「日」については僕もその意図がよく分からなかった。でも「記」については、日記にも書いたように横棒がつづくから一番上だけ斜めに切ることで、他の部分との差別化を図るという意図では? と返事したところ、「文字が傾いて見える原因にもなりえますし、大きくしたとき見る側に違和感を覚えさせるので、ゴナのように整然とした幾何学的なデザインを持つ書体では普通はありえない処理だと思います。」と返事をいただいた。そして、他ならぬ中村征宏さんのウェブページから、「調」の字があるページを示して、「少なくともここでは言偏の一画めは水平のように見えます」と教えてくれた。


なるほど、そう言われればそうかもしれない。もとよりタイプフェイスデザインは素人だから、いい勉強になりましたと言うのみ。ご指摘に感謝するとともに、これからもビシっとキツイこと言ってくださいとお願いしたい。


ただ、本をデザインをした身としてどうしても気になるのは、写植のゴナUと、シンカのゴナUに違いがあるのか? ということ。もしも写植と違っていたとしたら、「主役はゴナU」と意気込んで大きく使ったこちらは、とんだマヌケなことをしてしまったことになる。著者や出版社にも申し訳ないし、なによりも恥ずかしい〜!


取り急ぎシンカから届いたオリジナルデータを見てみたが、やはり斜めに切れていることを確認した。そして自分の本棚を探してみたが、ゴナUだけならいくらでも見つかるけど、うまい塩梅に「日」と「記」だけを見つけることができなかった。現物をみつければ答えはすぐに出るはずなので、引き続き探すつもり。それから、シンカへも問い合わせてみることにしよう。答えは後ほど。