絵文字原稿の第3回が公開

世間はすっかり新常用漢字表のパブリックレビューですが、絵文字原稿の3回目が公開されました。

文字コードに興味のある人って、たいてい文字派とコード派に分かれるんですが、今度の原稿はコード派の方にお勧めですかね。めくるめく絵文字変換サービスの世界を味わうことができます。なんったって1文字が9文字と対応するようなケースがあるんですから。いや本当、携帯電話のエンジニアの方々って尊敬しちゃうますよ。これをきちんと破綻のないよう実装しているなんて普通では考えられない。


しかしKDDIの絵文字のデザインはおもしろいなあ。「KDDI/0xF3D4:白人」なんかみると、人を見下したような、とても微妙な表情がきちんと表現されている。まあ、「白人」という恐ろしくカテゴライズされた語感に忠実にあろうとしただけなのですが、ソフトバンクのデザインが「西洋人」イメージから一歩も出ていないのに対して、はからずしもKDDIのは「白人」という以上の、なにか個性とでもいうべきものまで表現してしまっている。Unicodeのデザインなんかと比べると、日本のビジュアル文化の奥深さを感じます。


まあ、実際に携帯電話に表示されると、見る影もなくデフォルメされちゃうんですが、無駄に上手い。この「白人」というイメージが単なる偏見にもとづいたものでしかないということを考え合わせると、日本の文化の置かれた場所とでもいうべきものを照射していないか(んなわけないか)。

その点、NTTドコモのデザインは解像度の低さを前提に考えられていて、デザインはコミュニケーションであるという意味からは、面白味に欠けていても実はこちらが一番高度、というか正道ですね。